林立する巨大なビルが、次々にビジネスマンをはきだし、送り出し、シティの景色をかき混ぜる。11時にもなると、この街はビジネス一色だ。極彩色などという表現とは無縁な、黒いスーツに身を固めたビジネスマン達がシティの色を決定していく。
アクツは、ほとんど黒のように見えるブラウンのスーツに身を包み、ビルの36階にある自分のオフィスにいた。今日はまったく奇跡的に10時から12時までがぽっかり空いた。秘書も笑いながら「2時間のバカンスですね」と言う。ネクタイをイスに放り投げる。スーツのジャケットを脱ぐ。濃紺のシャツのボタンをはずす。大きく息を吐いた。いつ以来の休息だろうか。昔、その景色に憧れて出かけた地中海の小さな港町のことを思い出す。あれ以来、休みらしい休みもなかった。中堅の金融会社を経営するアクツは40を過ぎたばかりの若い社長だ。無理をしてでも働いてきた。それを本人はおごらない。誇らない。
目をつぶって時間の流れを楽しんでいたアクツは、ふと鼻をくすぐる豊かな香りに目をあけた。時計を見れば11時になっている。ドアをノックする音が鳴った。「どうぞ」穏やかに応えた彼のもとに、秘書が一杯のコーヒーを運んでくる。いつも口にしているコーヒーだが、今日は格別な香りに感じる。豊かだ。
そして、至福のひとときが訪れる。
シティローストはお昼にぴったりのコーヒー。まろやかな酸味とほのかな苦味のバランスがとれた味わいはとても飲みやすく、食後のコーヒーとしてもよく合います。ほっとひと息つきたい時にシティーローストを。